【戸別訪問】学校行く?行かない?

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今日は9月2日、月曜日です。今日から新学期という地域が多いのではないでしょうか?今日は新学期ならではのお話。

今日から新学期

今日から新学期。学生さんは皆さん学校が始まります。ところが…あれ?戸別訪問のご依頼があったのです。おかしいなぁ?まぁ、学校が早く終わるから、それでいいのかな?なんて思いつつ、訪問すればわかることだろうと、敢えて事前確認はせずに訪問しました。

訪問すると本人もご家族も在宅しています。本人さんは、肢体不自由児で発語はありません。「今日から学校どうだった?」と尋ねるとお母さんから「行っていません」とのこと。

あぁ、やはり…そう思ったのです。

学校って難しい

私の受け持ちの利用者さんには、医療的ケア児や肢体不自由児と呼ばれるお子さんが多くいます。他のお子さんももちろんですが、彼らが学校生活を送るには、配慮すべき点が多くあります。

支援学校ですから、配慮がいるお子さんばかりなのは当たり前なのですが、肢体不自由児などは、配慮がないと死に直結することが多いので、本当に細心の注意が必要となります。
それを看護師さんのように、専門的な学校で学んでいない先生方にお願いするわけですから、お願いされる方もする方も、負担も不安も増すばかり。

また、これってきっと地域差が大きいものなのかな?とも思います。医療的ケア児への対応が整っている地域と、そうでない地域。そもそも公立学校に地域差があってはいけないと思うのですが、それが通用しない現実があるのも理解はしています。

そんなわけで障害が多様化しているこの時代、支援学校の先生は本当に大変だと思います。そこに通うお子さんも、本当に大変です。

学校行く?行かない?

さて、戸別訪問の利用者さん。小学生のAちゃんですが、とうとう学校に行っていないとのこと。うう〜ん。

ま、いいんじゃないですかね?(^^; 怒られるかな、こんなこと言うと。

なぜ行くのをやめる決断をしたのかと言うことが大切なのです。
このAちゃんは、先天性疾患を持って成長していましたが、後天的に別の病気を発症しました。ですから、非常に配慮が必要です。そして、その配慮を怠ると再発したり、重篤化したり、最悪命に関わる可能性もあるのです。1学期の学校生活の中で、その配慮が学校側にお願いできない、ご両親がそう判断されたと言うことが答えだと思うからです。

そもそも学校ってなに?

学校って何しに行くんでしょうかね?
私は勉強するためでした。実は自分で言うのもなんですが、かなりガリ勉タイプで、勉強が苦ではないと言う感じでした。中学校は学年順位も1桁で、高校は推薦で行ける公立の共学で、と言う簡単な理由(笑)大学は学費と立地条件で選びました。
どの時代も、勉強がさほど苦ではありませんでした。

あと、人見知りをほとんどしないので、友達が多く、友達に会うために学校に行っていた、と言うのが一番だと思います。

勉強と友達。
あと…部活っていう方もいらっしゃいますかね?

まぁ何れにしても人との交流をしつつ、勉強や部活をするために行くところが学校でしょうか。

うん、でもそれって「学校」じゃなきゃできないこと、でもないですよね。

学校サボってた?

私は本当に優等生タイプだったので、学校をサボるっていうことをしたことはありません。まぁでも、生まれて初めてお酒を飲んだのは、夜中に学校に忍び込んで…とか?(笑)どこが優等生やねん(笑)それも思い出^^;

さておき、サボったことはないけれど、なんか悶々とするなぁというときは保健室によくいって、先生とお話していました。休み時間とか放課後に。そういう意味で、保健室の先生には支えられたんだと思います。

そういう逃げ道って人によって違うと思うので、それぞれでいいのかなと思います。

逃げられない子達

さて、Aちゃんの話に戻ります。Aちゃんは意思表示は主に表情を読み取る形なので、読み取れる人も限られるかなという状態。それに対し、身体能力は高く、元気にハイハイして伝い歩きして転びながら動き回るようなお子さんです。

Aちゃんが学校に求めていることってなんでしょう?私たちと同じように授業や友達なんでしょうか?

そもそも友達との交流とか、社会性を学んだり、時間感覚を培ったり、給食食べたり、色々学校での目的はあるんですが、それらを学ぶために行くことと、配慮が行き届かず、万が一に備えることを天秤にかけながら学校へ通うって、ナンセンスとも思っています。

でも学校は決して悪いところでもありません。
学校でしか経験できないことがたくさんあるのも事実です。
ただ肢体不自由児のようにSOS発信が少ないお子さんの場合は、周りが状況的に判断せざるを得ない状況があるのだと理解しています。

Aちゃんのご家族は、Aちゃんを学校に行かせない選択肢を選んだ、ということが重要なのです。

選択する際に大切なこと

Aちゃんの学校の件もそうですが、なんらかの選択に迫られた場合、私が利用者さんにいうことがあります。

選択するための情報をまず全部集める
私は最大限の情報を提供する
集めた情報を吟味する
それから初めて選択すること

選択を迫られたとき、こっちを選んだらどうなるか、あっちを選んだらどうなるか、それを予測するためには情報が必要です。
Aちゃんの場合、学校に行く行かないです。行く場合こうなる可能性が高い、行かない場合こうなる可能性が高い。それぞれ、得られる情報を全てピックアップして吟味してもらいます。

そして言います。
「そうやって選んだ結論を、後悔させないよう、最大限フォローします」と。

どっちを選んでも、私はちゃんと見ているよ、と伝えるようにしています。

普通でないことは覚悟がいる

学校に行かない選択肢は、全く悪いことではありません。

ただ、普通でないことをするためには覚悟がいる

これは理解すべきです。
私のびぃどろの仕事もですが、病院勤務を普通のこととするならば、やはり普通じゃないので覚悟が必要でした。
普通と違う道を歩くということは覚悟がいる。それは、同じことをしている人がいない(少ない)ので、前例がない分、手探りになるからです。自分で切り開かないといけない。それを覚悟と呼ぶのだと思うのです。

十分な情報を得て、吟味し、その上で覚悟をしたご両親でしたら、私も徹底的にフォローしていきます。
それで良いと思っています。

Aちゃんが今年度はどうやら学校には行かないらしい。
来年度はどうなるか?そこをまた、話していければいいですし、一度決めた選択肢がまた変わったっていいんです。

場所はどこでもいいのです。家族にとってかけがえのないAちゃんとの時間が営めれば。

私は学校に行ってよかったと思っています
中にはそうでもない人がいるとも思っています
それぞれの考えに触れる
それが私のエネルギーになるんです

【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。

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