先日数年振りに、大切な人に会いにいきました
その方は 訪問看護勤務の頃のご利用者さんで
今はともだち

話せる脳性麻痺の方で
話せる けど 全介助
彼女に逢って
これまでたくさん当事者の想いを教えてもらった

触られ方
声の掛けられ方
食べさせられ方
介助をさせるときの感じ方
辛い体験も全部
笑顔で教えてくれる人です

「パソコンが使いたい」
話せる方なので、意思伝達装置の購入に
補助がでません
低コストで専用のソフトを購入してもらい
唯一随意的に動かせる
左手の薬指
そこに「赤い糸やね~」と言いながら
スイッチを取り付けて
スイッチひとつでマウスを自在に操作する

wordの使い方
インターネットの使い方
音楽のかけ方
メールの打ち方

訪問のたびに練習しました

大好きなSMAPの曲を流しながら
彼女は詩を書く
彼女の詩は可愛い

ご両親が高齢で介護が難しくなり
数年前に入所が決まったため
訪問看護終了となり
その後メールでのやり取りが続いていた
でも
入所後1年で、自宅に帰ることになった

入所してからの気持ちの変化
私はあえて聞くことはしなかったけど
当事者にしかわからない気持ちがあるのだなと
彼女は教えてくれました

私は脳性麻痺の利用者さんが多い
その方の多くは話せません
将来的に入所になる方もいるでしょう

彼女はみんなの想いを代弁してくれる

親が安心して先立てるようになってほしい

その願いを叶える世界を作るなんて
私には到底出来ないけれど

たくさんの事を教えてくれる彼女
私の手土産のチョコムース
言語聴覚士の私ではなく
ともだちの私の介助で食べる

「 嚥下は変わらんね」と言うと、笑う
パソコンでSMAPの、らいおんハートを流してくれる
書き留めた詩を見せてくれる

私、字の書き順、知らないのよ
だって鉛筆持てないもん

と、笑いながらwordで詩を書く

彼女にとって私は
いいセラピストではないけど
いいともだちで居続けたいな
なんて思う

【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

関連記事一覧