【びぃどろ講座】胃瘻でも味わいを楽しむ

『たべる』について, だんらん作りの知恵袋, 未分類

先日、指導施設へ伺った際、ちょうどタイミングよく「お茶会」の日でした。さてさて、みなさん味わいを楽しめるかな?

今日はそのお話。

お茶会って?

このお茶会は、1人の利用者さんが、外出活動の際に買ってきてくれたお茶をみんなで楽しむ、というもの。なんか素敵♪

今回用意されたお茶は
レモンジンジャーティー
そしてミックスフルーツティー。

なんてお洒落な!!

きれいに煮出して、そのまま飲めるものと、とろみをつけたものに分けておきます。

どうやって飲ませるの?

この施設は経口摂取の中でも、普通食の方もいれば、嚥下食の方もいます。また、経管栄養の方も複数名いらっしゃり、みなさん同室で過ごしています。

とろみは、やや濃いくらいの濃度でつけて、緩めることができる程度の固さにしておきます。必要に応じて対応しやすくなりますね。

特に嚥下能力に問題のない方に関しては、そのまま自由に飲んでいただきます。

嚥下食レベルの方でも同様で、とろみの濃度に気をつけながら飲んでいただきます。

気になるのは経管栄養の方ですね。

経管栄養でも飲みましょう

基本的には、唾液を飲めているという状態なのですから、とろみがついたものを舐めること自体は可能と思います。ですから、舐めることで、味わいを楽しんでいただきます。今回選ばれた2種類のお茶は、なかなか味が強いものでしたので、利用者さんもちょっとびっくり!でも、普段なかなか飲まないようなお茶をこうして用意されるって、素敵だなぁと思いました。

これは職員さんの考えだと思うのですが、そもそも買い物外出の際に、このお茶を選んだ利用者さんがいらして、その方が「これを振る舞いたい」という意思表示をされたのです。ちょっと変わったお茶だけど、大丈夫かな…?と不安になりながらも、そこを尊重するというのはとても大切なことですね。

そんなわけで、珍しい味のお茶を飲んだ利用者さんたちは、喜んで飲まれる方もいれば、ジンジャーにびっくりしたり、フルーツの甘みに喜んだりと、それぞれ楽しんでいらっしゃいました。

口からは禁止!

それでも中には「絶対に通所で経口摂取はさせないでください」と、ご家族が希望される方や、体調などの理由から、口からの味わいは禁止の方がいらっしゃいます。

そういう方には「香りを楽しむ」という方法を選びました。

と、いうのも今回はハーブティーでしたので香りがとっても良いんです♪

そしてわかったことがが一つ

とろみがついていると匂いがわかりにくい!

へぇ〜知らなかった。まぁ考えてみれば当たり前かもしれませんが、とろみ付きのお茶は少し香りがわかりにくいのです。
それに比べてお茶そのままだと、少し揺らすと良い香りがします。

あぁそうか、ワインを飲むときにワイングラスを揺らすのはそういうことか!!

そんなことを思いながら、香りを堪能していただきました。

だんらんを楽しむ

普段飲まないような飲み物も、みんなでこうやって「どんな味?」「ノドに染みるね!」「甘い香りだね」などと話しながら楽しむ。こういう環境はとても良いものだなと感じる、そんな訪問となりました。

「だんらん」ってこういうものでしょうね♪

【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。

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