お子さんの発達支援を仕事としているため、仕事に問わず、友人から育児相談を受けることがしばしばあります。

先日、家業のため、8か月の赤ちゃんを保育園に入園させた友人から相談がありました。内容は、保育園のおやつについて。

お子さんのおやつ。悩みますよね。初めてのお子さんの場合はなおのこと。彼女も悩んでいるようで、初めてのこども、初めての保育園に不安がいっぱいなようでした。彼女からの相談は『8か月の子のおやつが、大人が食べるのと変わらないお菓子なんだけと、どう思う?』

と言う内容でした。

この「どう思う?」という言葉にはいろいろな意味が含まれていると思います。

「砂糖や塩が多いお菓子をあげていいの?」
「赤ちゃんにあげるものなんだから、添加物とかの少ないものにできないかな?」
「園になんて言えばいい?」
「他のお母さんはどうしてるのかな?」
「味覚を育ててあげたいけど・・・」
「でも園でこどもがお腹をすかせるのは困る」

どのお母さんも一生懸命悩んでいるものです
いまはスマホで検索すれば、たくさんの情報が入ります。どんなおやつがいいのか、これを食べさせるとよくないとか、いったい正しい情報って何なんだろう、なんて思いますね。

今日は乳幼児のおやつについての私の考えをまとめてみました

乳幼児のおやつの目的は主に
『補食』です
胃袋の小さい乳幼児が1度で摂取できる量は少ないため、補うことが目的です。
つまり『おやつ』ではなく『食事』という認識です

赤ちゃんの胃の大きさは
・出産当日はサクランボ大(5~7ml)
・生後2日目でクルミ大(22~27ml)
・生後1週間でピンポン玉大(45~60ml)
・生後1か月でたまご大(80~150ml)
これだけ胃が小さいのですから
赤ちゃんが1日に何度も母乳・ミルクを欲しがるのは当たり前ですね

WHO(世界保健機構)のガイドラインでは、子どもの食事量について以下のように書かれています。

『子どもが一度に食べられる量は、子どもの胃の大きさや容量に依存し、通常は子どもの体重1kgあたり30ml程度。体重が8kgの子どもならば胃の容量は240mlであり、それ以上は一度に食べられないと考えるべきである。 』

このことからも、子どもが1食で摂取できる栄養量・水分量には限界があり
1日に必要な量を摂取するためには3食+捕食が必要であることがわかります

この『捕食』に何を摂取するかというのが今回の相談でした

月齢から考慮しても、基本は母乳・ミルクを中心に離乳中期食を経験する時期です

しかしそこに“保育園”というキーワードが入ると、対応が変わるのです。

それは予算とアレルギーの問題です。

アレルギーっ子は手作りおやつの園では過ごせません。
コンタミ(微量混入)のリスクを考えれば、市販の成分表示があるおやつから、安全に食べられるものを選ばなくてはいけません。

また保育園は予算の都合上、おやつに割ける金額にも限界があります。身体に良いとされる素材を利用した市販のおやつは出せません。

それを踏まえると、園のおやつは変えられないのです。

その上で食べさせるのか食べさせないのか。食べさせない場合の補食をどうするか、を相談しましょう。

捕食に絶対に必要なのは
・栄養量
・水分量
この2つ。

自宅で用意したもので代用してもらえるか、搾母やミルクで補うか
その点を話し合いましょう。

今回相談してくれた友人には、彼女が大切にしている
・味覚の発達
・味付け
・おやつの固さや大きさ
・他の子と違うことをすることへの考え方
などについてもいろいろとお話ししたのですが、長くなるのでこれらについてはまた後日別記事で。

いずれにしても

子どもの食べるを育むことは
やはり複雑で難しいですね

【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。

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