【びぃどろ講座】難病って何?

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「難病」という言葉を聞いたことがありますか?よく聞く言葉ですが、実際はよく知らない。今日は、「難病って何?」について。

難病とは

難病と聞くと、なんだかたとても恐ろしい病気?不治の病?という印象があると思います。難病にもきちんとした定義があります。

難病の定義は以下の通り。

  • 発病の機構(原因)が明らかでない
  • 治療方法が確立していない
  • 希少な疾患である(がん、精神疾患、感染症、アレルギー疾患等、個別の施策体系が確立している疾患は含まれない)
  • 長期の療養を必要とする

少しわかりにくいでしょうか?つまりは、原因不明のため、決まった治療はなく、長期間の治療が必要な病気です。また、その病気にかかる人の人数も少ないため、他の病気に比べて研究も進めにくい特徴があります。

しかし、最近の医療の発達・研究の成果から、難病に対しての対応も大幅に改善し、全面的に介助が必要となる患者は減少しました。症状が安定し、ほぼ問題なく日常生活を送る人が増えているということです。

その一方で完治は未だ難しいことが多く、たとえ軽症であっても、定期的な通院や服薬等、生活面の自己管理が必要となります。

難病の種類

難病には無数の種類が存在していますが、いくつかの種類に分けられます。

  • 消化器系疾患
  • 自己免疫疾患
  • 神経・筋疾患
  • 血液系
  • 内分泌系
  • 視覚系
  • 循環器系、呼吸器系、皮膚・結合組織系
  • 骨・関節系
  • 腎・泌尿器系

大まかにいうと上記の通りです。3番目にあげた「神経・筋疾患」では、有名な「パーキンソン病」が含まれます。また、今年7月の参議院議員選挙にて、れいわ新撰組の比例代表特定枠から当選された船後靖彦氏もALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病を患っておられますが、このALSも「神経・筋疾患」に含まれます。

難病の症状

難病には多くの種類があり、それらの症状も様々です。しかし、難病の多くは、治療を継続しながら症状の安定を図ることが目標となっているため、表に見えない部分も多くあります。多くの難病は、症状は多様であれども、体調の崩れやすさ、疲れやすさや倦怠感、痛みや発熱、集中力の低下などが共通した症状となります。

例えば神経・筋疾患では筋力低下やふるえ、消化器系疾患では下痢や下血、骨・関節系疾患では動作や姿勢の制限などが代表的な症状となります。日による変動や、わずかな体調変化による影響も多く見られます。

指定難病とは?

難病は、長期にわたり治療を要することが多く、治療費等の経済的負担が多くなります。仕事が十分にできない方も多いため、国が指定した難病に関しては、医療費の助成を受けることができます。この対象疾患は「難病の患者に対する医療等に関する法律」に定められており、ここに挙げられた難病を「指定難病」と言います。

指定難病の条件は以下の通り

  • 患者数が本邦において一定の人数(人口の0.1%程度)*に達しないこと
  • 客観的な診断基準(又はそれに準ずるもの)が確立していること

「指定難病」の病気の種類

2018年4月1日より、指定難病には331疾患が指定されています。各疾患の概要や診断基準は、以下に挙げる厚生労働省や難病情報センターのサイトから見ることができます。

【参考サイト】
厚生労働省「指定難病」
難病情報センター「病気の解説・診断基準・臨床調査個人票の一覧 五十音別索引」

この指定難病の認定を受けることで、医療費の助成を受けることができるため、難病であるとわかったら、病院の主治医やソーシャルワーカーと相談し、必要書類を準備して、早めに申請をしましょう。

障害者手帳

さらに、症状などによっては「障害者手帳」の申請も行うことができます。障害者総合支援法における「難病」は、医療費助成の対象である指定難病よりも広く、2019年7月1日時点では361疾患です。

【参考サイト】
難病情報センター「指定難病患者への医療費助成制度のご案内」

両方を併用しながら、医療費の助成や様々なサービスを受けることができます。

難病の相談窓口

難病は、様々な制度が絡み合っていることもあり、助成金やサービスがどうなっているのかがわかりにくいものです。そのため、難病についてわからない時は以下の相談窓口へお問い合わせされると、いいですよ。

難病情報センター「都道府県難病相談支援センター一覧」

ご自身が、ご家族が、大切な方が難病とわかった場合、とても不安になると思います。ぜひ相談できる窓口があることを知って、連絡してみましょうね。

【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。

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